Apple Vision Proのアプリケーション開発環境が公開

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Apple Vision Proのラボ施設が東京に

2023年6月6日に開発者にとって嬉しい発表があった。Appleは、Apple Vision Pro Developer Labsという開発者向けアプリテスト施設を公式にアナウンスした。場所は東京、ロンドン、ミュンヘン、上海、シンガポール、クパチーノとのこと。

この施設では、開発者がアプリケーションのApple Vision Proデモリクエストを提出しており、アプリテストを実施可能だ。実際のテストはリモートで行われるため、開発者はApple Vision Proに直接触れることはできないものの、デモでのフィードバックをVision Pro発売前に確認できる。

開発者向けアプリテスト施設の詳細は、準備が整い次第、開発者向けウェブサイトで順次公開される予定。Appleが開設するApple Vision Pro Developer Labsは、開発者がより的確なフィードバックを得ることができるように、開発者コミュニティにとって貴重な場所となる。

ラボの使用について

ラボの内容

コーディングやデザインを自主的に行えるラボでは、visionOSでアプリをテストして最適化できます。Macや充電コードなど、Apple Vision Proでアプリやゲームの修正、ビルド、実行、テストを行うために必要なものをご持参ください。Appleのエキスパートが設定やトラブルシューティングをサポートします。

開催場所

Apple Vision Proデベロッパラボは、クパティーノ、ロンドン、ミュンヘン、上海、シンガポール、東京で開催されます。

参加資格

ラボを予約できるのは、現在Apple Developer ProgramまたはApple Developer Enterprise Programのメンバーで、18歳以上の方に限定されています。また、現在開発中の新しいvisionOSアプリ、または既存のiPadOS/iOSアプリが必要です。

お申し込み方法

Apple IDでサインインし、リクエストフォームに必要事項をご記入ください。visionOSシミュレータで実行中のアプリのスクリーンショットが必要となります。リクエストは審査されます。新しいvisionOSアプリおよびvisionOS向けに機能強化される既存のiPadOS/iOSアプリを優先させていただきますので、あらかじめご了承ください。ラボにはデザイナーとエンジニア各1名様にご参加いただくことをおすすめします。その場合、各メンバーには同じ日、同じ場所での参加リクエストを個別に提出していただく必要があります。

2023年6月、Apple Vision Pro開発環境が公開

また、2023年6月末にVisionOS SDK、アップデートされたReality ComposerXcodeなどの開発キットが出揃った。AppleはHuman Interface Guidelinesを配布し、開発者がApple Vision Pro対応アプリ開発を支援する。さらに、同社はVision Pro Simulatorを提供し、開発者が「開発アプリケーションがApple Vision Proを通してどのように見えるか」を確認できるようにするとのことだ。

Apple Storeによるアプリ開発者とゲーム開発者のメリット

iPhone以来の新しい市場参入チャンス

初代iPhone発売が2007年、開発者にとっては実に15年ぶりの先行者利益を得られるチャンスとなっている。アプリ開発者は、新しいストアに参入できる数少ない機会となる。需要が高く供給が足りない市場でのエンジニア価値は極端なバブルを迎え、現在の日本でも月収100万円以上で契約するiOSアプリエンジニアは珍しくない。

iOSの需要の高さを市場が理解している

需要を感じているのは何も開発者本人だけではない。開発者にサラリーを払う経営者・投資家も同じだ。

アプリケーションを公式に販売する場合にかかる値段は、iOS向けApple storeが年間99ドル(およそ13000円)、Android向けのGoogle playが初回のみ25ドル(およそ3000円)と大きな開きがある。にも関わらず、そのユーザ需要の高さからアプリ開発者はどちらも開発せざるを得ない状況になっている。

実際に2022年第1四半期にはApp storeの売上はGoogle playのおよそ2倍となっており、Apple製品向けの開発者需要は常にあることを証明している。良い製品をiOS向けに作れば、Appleのプラットフォームで売れば、端末はAppleが売ってくれるという確信があるのだ。

開発者の憂鬱 iPhoneでプレイできないアプリケーションは売れない

iPhoneでプレイできないアプリケーションは売れない。

米国投資会社ハイパーサンドラーによると、アメリカの7100人、平均年齢16.2歳にとったアンケートで87%がiPhoneを所持していることが明らかになっている。現在制作されているアプリケーションのほとんどはiPhoneに適応できるよう開発されているということだ。

これから発売される初代のApple Vision Proがどれほど高価なものだったとしても、開発者はこの機会を逃すことができない。特にVRゲーム開発者にインパクトがあるだろう。シミュレーターがあるとはいえ、実機で試せない開発ほど難しいものはない。

米国投資会社ハイパーサンドラーによる調査結果

Macがソフトウェア開発者を独占した事例

かつてMac(当時はマッキントッシュ)が初めて販売された際、1984年からの2年間で79社ものソフトウェア開発会社を味方につけ競合IBMの2.8倍売り上げた。ユーザが使いやすいツールをMacに搭載したことで、それを発展させる開発者の意欲を掻き立て、Mac向けの開発を行わせることに成功したのだ。今ではWordやGoogleドキュメントにシェアを奪われてしまった文書作成ソフトのシェア。しかし、当時は、Apple製の文書作成ソフトMacWriteをいち早くパソコンに搭載し、利用者とその周辺開発者を独占していた。

VRについても、高スペックでハイレベルな表現ができ、一定の評価をされるであろう高品質ゲームやアプリケーションを開発することが可能な土壌を提供することは確かな価値となる。今後のVR市場を盛り上げることは確実だろう。

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